トランペットとクラシックギターという"変な編成"をやる意義





こんにちは、クラシックギターの五十嵐紅です。


この度、僕が主宰する「水曜日のクラシック」にて、トランペット奏者の籠谷春香さんと共演します。去年、当コンサートがきっかけで共演し「面白い」と意気投合。今年は1/10@原宿「テレマン→ファリャ」(残席あり)、2/17@札幌「トランペットとクラシックギターin札幌」を控えています。



さて、クラシックがお好きな方でも珍しく映るこの編成。今回はブログの表題についてお話ししたいと思います。僕と籠谷さんの共演のきっかけは以前の対談をご覧ください。(→www.koh-guitar.com/wedtalk08)




【アウトライン】
・良さ
・弱点
・楽曲について
・トランペットとクラシックギターいう変な編成をやる意義




・この編成の良さ


管楽器のトランペットの伸びやかな音と、撥弦楽器であるギターは、発音の仕組みの違いから音色が大きく異なるため、お互いの良さを引き立てるように思います。(これは他の楽器にも言えることですが) また、持ち運びができるため、場所を選ばず演奏することができます。この編成に合う楽曲を探し、開拓していく「宝探し」のような楽しみもあります。


・弱点


音量差が大きいです。クラシックギターはそもそも音量が小さく、トランペットとの演奏では必ずPA(マイク、アンプ)を用います。そのため、なるべく不自然な電子音にならない音作りに気を使う必要があります。トランペット奏者もギターの繊細な響きを気使う演奏が必要になるため、高い集中力が求められます。特にバロック音楽においてはピアノ伴奏以上に繊細な表現が求められます。


・楽曲について


前提としてこの編成でのクラシック楽曲は(ほぼ)ありません。基本的に我々のデュオでは、僕が編曲をしています。


相性がいい楽曲の筆頭はバロック音楽です。ギターでのバロック音楽は、当時のチェンバロ(ピアノの原型)や、リュート(ギターの親戚)に音が似ているため、相性が良いです。トランペットはバロック音楽のレパートリーも多く、その中でも我々はテレマン、ネルーダの作品を好んで演奏しています。籠谷さんはピッコロトランペットを使用し演奏しています。



テレマン:トランペット協奏曲より(前回の水曜日のクラシック宣伝)




ネルーダ:トランペット協奏曲より(500円ハンドメイドCDより)






次にラテン音楽。今回取りあげるスペイン人作曲家ファリャの作品は、ギター伴奏を想像しやすいのではないでしょうか。ラテン音楽はギターの主要なレパートリーであり、トランペットとの演奏でもその演奏効果を楽しむことができます。他にもシンプルな楽曲やしっとりとした曲はギターの訥々とした音色と相性が良いです。


美女と野獣


ジュ・トゥ・ヴ





不向きの音楽は、重い迫力を必要とする楽曲(ロシア、ドイツ音楽に多い)、多彩な和音が魅力の楽曲(フランス音楽に多い)などで、ギターの表現の幅を超えてしまう楽曲はなかなか合いません。





「トランペットとクラシックギターという変な編成をやる意義」



はじめ我々も「本当にこの編成で演奏会を行うのか・・・」と思っていました。今は”これはこれであり”という感想を抱いています。おそらく今後も「トランペットとクラシックギター」で演奏する奏者は少ないでしょう。トランペット奏者にもギター奏者にも負担が大きく、その割にやや地味、そんな編成です。

籠谷さんとたまたま始めたトランペットとのデュオ。普通はわざわざ選ばないこの編成ですが、たまたま素晴らしいトランペット奏者とご縁がありました。彼女は演奏はもちろん、人柄も素晴らしく、友人ながら尊敬できる奏者です。きっとこれからずっと「変な編成」と言われ続けるんだろうと思いつつ、彼女と一緒に演奏できることが幸せです。

将来もしかしたら「トランペット・ギターデュオブーム」が来るかもしれない。きっと来ないけど。それでも音楽の世界で「この編成だからこそ意義があった」と言われるような何かを残せたらいいなと思います。これからもこの編成を楽しみながら、演奏を続けたいです。


1/10のコンサートのチケットはこちらからご購入いただけます。たくさんの方のご来場をお待ちしております。(→www.koh-guitar.com/wed15)







共演する籠谷春香のプロフィール

籠谷 春香 -トランペット

北海道出身。東京音楽大学を首席で卒業。第1回札幌トランペット協会主催オーディション高校の部合格。第81回日本音楽コンクールトランペット部門第2位。併せて岩谷賞(聴衆賞)受賞。第30回日本管打楽器コンクールトランペット部門第2位。第84回日本音楽コンクールトランペット部門入選。第14回東京音楽コンクール金管部門入選。第33回日本管打楽器コンクールトランペット部門第1位。併せて特別大賞ならびに内閣総理大臣賞、文部科学大臣賞、東京都知事賞を受賞。新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズにて、トマジのトランペット協奏曲を札幌交響楽団と共演。第30回ヤマハ管楽器新人演奏会金管部門に出演。NHK-FMリサイタル・ノヴァに出演。トランペットを松田次史、津堅直弘、アンドレ・アンリ、高橋敦、栃本浩規、長谷川智之の各氏に師事。室内楽を津堅直弘、山本孝、田中眞輔、箱山芳樹の各氏に師事。




おまけ↓こないだ魔女の宅急便やってたので。最後まで読んでいただいてありがとうございました。




このブログの人気の投稿

映画音楽について《映画の音楽》コンサート後記

《終演/あとがき》国分寺さわやかプラザ フルートとギター