音楽家が料理人から学べること



音楽を仕事にしてまだ3年。いろいろなことを考える。


クラシック音楽の良さは数え切れないほどあるけど、100年以上前の音楽が未だに愛される伝統、そして奏者の技術の高さや表現力、これは本当に素晴らしいと思う。でもクラシック音楽であってもなかなか食べていくのは大変。仕事として成立するのはとても難しい。


「クラシック音楽の敷居が高い」と理由付けされることもあるけれど、本当にそうなのか。あるシンガーソングライターがTwitterで「ライブは敷居が高いけど是非」とつぶやいていた。敷居が高いのか、興味を持たれていないのか。欲しいものは高くてもお金を貯めて買う。(僕は今ソニーのカメラが欲しいけど30-40万もするんですよね・・・)


クラシックは高いチケットから無料のチケットまで色々なところで演奏会が行なわれている。クラシックコンサートになかなかお客様が来ないのは、選ばれるための努力が足りないのかもしれない。少なくとも僕自身に対してそう思う。


あるきっかけで、お寿司屋さんのインタビューを読んだ。地方にあるお店だけど、全国そして海外からもそのお店に来るそうだ。単価も相場よりずっと高い。もちろん最初から繁盛したわけではなく、何年も苦労されていたようだ。その方は自分のオリジナリティとは何かを常に考えていた。


寿司屋のオリジナリティ。寿司といえば、海外の和食ブームの中で生まれた創作寿司では、これ寿司なの?というような食べ物もある。伝統から外れすぎた寿司は寿司ではない。(実は寿司の歴史は浅いらしいが)


先ほどのインタビューの寿司職人は伝統を踏襲しながら、自分のメニューを考えお客様に問いかけた。「地産地消-その地でできるものを生かす」というコンセプトも持っていた。


飲食店の競争率は凄まじい。3年で70%の店が潰れるそうだ。料理人たちは毎日しのぎを削って技術を磨く。でも技術だけでは成り立たない。その中で「選ばれる」ために皆さんが努力している。(これをブランディングいうけども、僕は恥ずかしくて使えない横文字)


ほかにもイタリアン、フレンチと色々な料理人のインタビューを読んだ。考え方は違えど誰もが「お店の強み」を真剣に考え試行錯誤をしている。そして大前提としてこのインタビューに掲載されていた料理人は一流の料理人。結局オリジナリティを発揮するにも、味で勝負する世界において、料理の腕は必須だということ。


しかし、ある料理人が「すごくいい腕があるのに、勿体無い人がいる」と言っていた。いい料理を作っても食べてくれる方が一定数いなければ料理人として生きていけない。選ばれることの大変さと大切さ。日々一生懸命仕事をしている料理人の方に敬意の念を抱くとともに、音楽も同じだと自省し、これからも頑張りたい。



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